大道芸

500年以上の歴史 日本に古くからある古典的大道芸をご紹介します

日本には古くから路上で行われる芸能が数多くありました。ガマの油売りやはしご乗り、傀儡師など、様々な古典的大道芸をご紹介します。

大道芸とは

現代において大道芸とは、路上や駅前、広場などで行われる芸能全般のことを指します。「路上パフォーマンス」、「ストリートライブ」などと呼ばれることもあります。
大道芸を行う人のことを「大道芸人」、「ストリートパフォーマー」と呼ぶことが多く、特に「曲芸」、「口上」、「踊り」などを披露する人を指すことが多いです。

大道芸人と聞くと、観客からの投げ銭をもらってパフォーマンスをする印象もありますが、最近では出演料をもらってイベントで芸を披露したり、チケットでの公演を行う人もいます。

大道芸の歴史

歴史的には、宗教の布教のために行われたものが大道芸の原型としてあります。
その後、目を引く格好や啖呵口上で通行人の気を引き商売を行う香具師や、曲芸や軽業を行い放浪する芸人が現れました。

江戸時代には全国各地で盛んに大道芸が行われていましたが、現代の大道芸は明治以降、近代になって海外からの芸の輸入に伴って発展していきました。

現代の古典芸

現代では江戸時代頃に行われていた大道芸の多くは見ることはなくなりましたが、古典的大道芸、伝統芸として受け継がれているものや演じられているものもあります。

寄席やお祭りなどで見かける機会もあります。事項からそんな大道芸の種類をいくつかご紹介します。

古典的大道芸

歴史のある大道芸をいくつかご紹介します。古典的大道芸は物を売るための芸と、芸そのものを商品にして投げ銭をもらうものに分けられます。

香具師

香具師、「やし」、「こうぐし」と読みます。大道芸人というよりは商売人と言った方が正しいかもしれません。
道端に露店を構えて、派手な衣装や啖呵口上、見世物芸などで通行人の気を引き、薬などの商品を販売する人のことです。

三寸、ガマの油売り

なかでもとくに有名なのがガマの油売りです。ガマガエルから採った油を万能薬であるとして実演販売する、というもので紙が切れる刀で負った傷がすぐに治る様を披露しながら軟膏を販売していました。

現代でも伝統芸としてイベントなどで披露されることがあります。

飴細工

水飴を加工して、動物などの形を作って販売する飴細工です。飴細工職人は、現代でもお祭りなどで活躍していますが、実は平安時代からある芸です。
繊細な飴細工は伝統芸として受け継がれています。

チンドン屋

チンドン屋は現代でいう広告代理業です。派手な格好で太鼓や笛などの楽器を鳴らして町を練り歩き、宣伝口上で商品をPRする、というもので寄席などの宣伝をしていました。

テレビやラジオの無い時代の商店の開店案内や、セールのお知らせなど貴重な広告塔でした。
現代でも、新規店舗出店のイベントなどで稀に見ることが出来ます。

門附

門附(かどつけ)芸は、祭事の時に門口で獅子舞などのお祝い芸を披露することがはじまりで、いわゆる大道芸のはじまりです。

その後様々な芸で民衆を楽しませて、投げ銭で生計を立てる人のことを言うようになりました。

軽業

軽業(かるわざ)は現代でいうアクロバット芸です。身体能力を生かした芸や綱渡りや竹馬などの体を使ったパフォーマンスを指します。

梯子乗り

軽業の一種ですが、垂直に立てた梯子に上り、技を披露するものです。梯子の上まで登り高所でのバランスなどスリルのある芸です。
現代でも鳶職や消防士などが出し物として披露することがります。

手妻

手妻(てづま)は現代の手品の元で、奇術を披露する人を手妻師と呼んでいました。
日本の伝統的な和妻には、扇子を使った胡蝶の舞などがあります。

和風な、日本独自のマジックは現代でも特に海外で人気です。

紙切り

一枚の紙と鋏だけを使った芸です。客からのリクエストに応えて、目の前で紙を切って動物などの形を作ります。

伝統芸として、現代でも落語の寄席などで披露されることがあります。

南京玉すだれ

「さて、さて、さては南京玉すだれ」の口上が有名な南京玉すだれは、独特のリズムに合わせて、すだれを次々と釣り竿や橋など様々な形に変えていく芸です。
現代でも愛好家が多く、お祭りなどで披露されることがあります。
amazonにも売っていました。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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猿回し

猿と猿使いによる芸です。江戸時代以降、猿に芸を覚えさせ、路上で披露する大道芸が盛んにおこなわれていました。


現代でも日光さる軍団など猿回しを行う有名な団体がいくつかありますので、見ることができます。

傀儡子

糸を使って人形を動かす操り人形芸です。人形の関節と糸で結ばれた板を操って、まるで人形が踊っているかのような演技をしたり、物語を演じたりと様々なパフォーマンスをします。

現代では西洋の操り人形と昔ながらの人形がミックスした芸が行われています。

曲独楽

昔ながらのコマ回しをする曲芸です。子供のころ誰もが遊んだことのある見慣れたコマですが、扇子や刀の上にのせたり、綱渡りをさせたりと、様々な技があります。

現代でも大道芸で披露されることがあります。

その他

能や歌舞伎、神楽、獅子舞など現代でも人気の芸能はもともとは路上で演じられていたものも多くあります。

まとめ

大道芸の歴史、昔ながらの大道芸についてご紹介しました。
現代とは形が違う部分も多いですが、江戸時代、日本ではかなり大道芸が盛んにおこなわれていました。

それらの芸の一部は、伝統的な芸能として現代でも披露される機会があります。
もし機会があれば古典的な大道芸もお楽しみください。

また、現代の大道芸についてはこちらの記事でご紹介していますので参考にしてください。

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